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Channel: 総合文学ウェブ情報誌 文学金魚 ― 小説・詩・批評・短歌・俳句・音楽・美術・骨董・古典・演劇・映画・TV » 2014年11月 | 総合文学ウェブ情報誌 文学金魚 ― 小説・詩・批評・短歌・俳句・音楽・美術・骨董・古典・演劇・映画・TV
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【11月30日】ラモーナ・ツァラヌさんの連載エセー『交差する物語』『No.006 故郷とそこから見える風景(下)』をアップしました。

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ラモーナ・ツァラヌさんの連載エセー『交差する物語』『No.006 故郷とそこから見える風景(下)』をアップしましたぁ。ラモーナさんは、高校生の時には新聞記者を目指しておられて、新聞社の依頼で故郷スチャヴァ市の様々な住人を訪ねて彼らの話を記事にまとめる仕事をなさったようです。ラモーナさんはおとなしい雰囲気のお方のやうですが、ルーマニアからドイツの大学で学び、日本に来て研究を続けておられることからもわかるやうに、実はもんのすごく行動的でありまふ。高校時代からその芽はあったのですねぇ。

 

エセーを読んでいると、20世紀半ばまでのルーマニアはかなり保守的な文化土壌だったことがよくわかります。ただ貴族といった階級が厳然とあったやうです。日本でも華族はいたわけですが、こりは御維新後にヨーロッパを真似て創設され戦後には廃止されてしまったので、日本人はあまり強く階級を意識することはありません。ラモーナさんは『前世紀30年代には・・・貴族の家に生まれていない女の子が高等教育を受けるのは、贅沢だと捉えられていた』と書いておられますが、日本では階級差より貧富の差が高等教育を受けるかどうかを分けていたと言っていいかも知れません。階級と富が結びついている社会では必ずしもなかったわけです。

 

ラモーナさんは故郷について、『子どもの時なりたかった自分になっているかどうかを確かめることが出来る場所であることだ。帰るたびに、昔ここで理想としていた自分にまだなれていないことに気付くし、まだまだ道の途中であることを思い知らされる。故郷との関係は、個人としてさらに前へ進むための原動力にもなるのである』と書いておられます。特に極東まで来ていらっしゃるラモーナさんにとっては、そういふ感覚は切実でせうね。ラモーナさんの劇評やエセーはもちろん、ラモさんが将来どんな〝大物〟になってゆかれるのか、楽しみでありますぅ。

 

 

ラモーナ・ツァラヌ 連載エセー 『交差する物語』『No.006 故郷とそこから見える風景(下)』 ■

 

 


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